アメリカ、テキサス州フォートワース。安藤忠雄の真骨頂、コンクリート剥き出しの建造物と、作品レベルの高さに感心する。
アメリカ、テキサス州、フォートワースのダウンタウンにある現代美術館。建物は安藤忠雄による設計。展示は一階と二階にあるが、一階は閉まっていた。ただし、二階だけでも充分見応えがありインパクト十分。特に、安藤忠雄特有のコンクリート剥き出しの建物と、現代作品が融和していること、また、展示スペースがゆったりしていることが特筆に値する。
二階に向かって階段を上がるとまず見えるのが、アンディーウォーホールの自画像。緑色で彩られた作品は場所の雰囲気にマッチしていてしばらく動けなくなる。贅沢な空間だ。向かって右側に続く展示室には著名な作品はないが、センスの良い作品が並んでいる。絵画というよりはオブジェと映像系の作品に目が留まった。また、建物の二階から一階を見下ろせるスペースが三か所あり目を奪われた。一か所は電光掲示板、もう一か所はボートのオブジェ、最後の一か所は梯子をモチーフとしたオブジェ。いずれも、この美術館のセンスの高さをうかがわせた。
敷地内、奥の庭には白樺の木をモチーフにしたオブジェがあり、このオブジェ越しに美術館全体を眺める場所が、この美術館の素晴らしさを実感できる空間だった。この場所は一階にあるカフェ&レストランから外に出て歩くことになるが、是非、この場所まで足を運び、この美術館の特異な風景を確認していただきたい。
現在の建物は2002年に建てられ、20年程度が過っているものの、その現代的な建築は少しも色褪せていなかった。また、展示されている作品については、ポピュリズムを狙っている感じがなく、独自性に主眼を置いていることが窺われ、非常に好感度が高かった。
2019年訪問。
基本情報
■ 名称:フォートワース現代美術館
■ 住所 : 3200 Darnell St, Fort Worth, TX, USA
■ ホームページ:
https://www.themodern.org/
(described on Jul 26 2020)