Whisky a Go Go / ウィスキーアゴーゴー (West Hollywood, CA, USA)

ロサンゼルス、サンセットストリップ、ゴーゴーダンスを生んだクラブが、歴史を生み続ける現場を確認する。

ロックが好きな人であれば必ず知っていると言ってもいいであろう、ロサンゼルス、サンセットストリップにあるライブハウス。サンセット通りをロサンゼルスダウンダウンの方から走ってくると、店やレストランが並んだサンセットプラザを通り、かつてタワーレコードがあった場所を右に見ながら、軽く右に曲がるサンセット通りを進むと、左にバイパールーム / The Viper Roomが見え、さらに50mほど進むと右に見えてくるのがウィスキーアゴーゴ / Whisky a Go Goだ。

90年代は、ウィスキーアゴーゴー前を通ると狭い歩道に人が溜まっていて、その人混みを避け車道を歩きながら、奥に続くロキシー / The Roxyまで歩いた。このウィスキーアゴーゴとロキシーの間、及び、その奥に続くギャザリーズ / Gazzarri’s までが、サンセットストリップで一番人が多い場所だった。

実は、90年代は、ウィスキーアゴーゴーには、足を運んでいない。それは、当時、ロック系の音楽をあまりやっていなかったことが関係している。”LA Weekly” のフリーペーパーでバンドを確認すると、多くのバンドがグランジ系、ヒップホップ系で、見たくなるような系統の音楽を演じていなかった。ただ、2000年に入り、ロック色が強くなったのか、足を運ぶようになった。

ちなみに、サンセットストリップのライブハウスは、年代によって演奏しているバンドのタイプに特色があるのが面白い。90年代に入ると、上述の通り、ウィスキー・ア・ゴーゴーは、グランジ、ヒップホップ系に傾いていたが、ロキシーは、ロック系が残っていた。一方、バイパールームは、ダンス系という具合だ。このあたりは、オーナーの戦略なのだろう。年代によって足を運ぶライブハウスが変わった。

入口前に立っていると、人が出入りする時に中が覗け、音楽が聞こえてくるので、中に入る敷居は高くない。入口扉を潜ると、右正面にステージがある。ステージは、幅10メートル、奥行き5メートル、高さ、1.2メートルぐらい。それほど広いという訳でもない。

ウィスキーアゴーゴーには二階がある。二階に続く木製の階段を上ると、一階とは雰囲気が違う。ウィスキーアゴーゴーは、その知名度から観光客が多いが、二階席に行くと、ローカルの若者が、たむろって話をしているような感じだ。これは、ローカルバンドが演奏するような日は、一日に、3つ、4つのバンドが演奏するので、バンドの仲間が、自分たちのバンドが出てくるまで、二階で談笑しているというようなこともあるのだと思う。尚、PAは階段を上った脇のスペースで、ステージを正面に見下ろす形でスペースを確保している。

建物の外観は、よく色が変わる。交差点に向かって配置された、スコアボードが入った景色は、「ああ、ここはサンセットストリップなのだなあ」と感慨に耽ることができる場所であり、ロック系ライブハウスを語る上で外すことができない場所である。

2001年、2002年、2010年、2017年訪問

​基本情報

​■ 名称: Whisky a Go Go
■ 住所 :  8901 Sunset Blvd, West Hollywood, California, USA
​■ 演奏したミュージシャン:
Iggy Pop & Stooges, Alice Cooper, Van Halen, Led Zeppelin, KISS, Guns N’ Roses, Motley Crue, AC/DC, Linkin Park, Oasis, System of a Down
​■ ホームページ:   https://whiskyagogo.com/