ダラス美術館 (Dallas, Texas, USA)

テキサス州ダラス、博物館的要素を持つ総合美術館。入口でスタッフに声を掛けられ、展示室ではスタッフと視線が合い挨拶を返される場面に遭遇し、この場所の人々のフレンドリーさに触れる。

アメリカ、テキサス州ダラスのダウンダウンにある総合美術館。テキサスというと西海岸からも遠く、東海岸のニューヨークシティーあたりの有名観光地とも異なり、足を運びにくい場所ではあるが、美術館、博物館が点在しており、興味深い場所だ。また、ダラスあたりは大都会という印象を持っていたが、足を運んでみると人々に声を掛けられることが多く、フレンドリーな気質の人々なのだという気がした。

さて、この美術館だが美術館+博物館という言い方が正しいだろう。フォークアート系の作品が目に付き、特にアフリカ系の、フィギュア(人形)に珍しいものが散見された。この手のアイテムが秀逸だったのは、サンフランシスコのデ・ヤング美術館だが、展示スペース・内容とも肩を並べるレベルにあった。また、日本に関するアイテムもあり、仏像、屏風、掛軸も並んでいた。

現在の建物は1984年に建てられたということで比較的古いが、その古さを感じさせない、ゆったりしたスペースの中に作品が並んでいる。また、魅力ある美術館は、得てしてフロアが複雑で、自分がどこにいるのか分からなくなったりするが、2階から4階は僅かな段数の階段でつながり、自分が居る場所が分からなくなりこの条件を満たしていた。また、一階には個別ギャラリーの部屋があったが、正面入口から入って一番奥にあるギャラリーは、Jonas Woodという現代作家の作品が展示され秀逸だった。

現代美術に関しては、アメリカ系作品に、ジャスパー・ジョーンズ(Jasper Jones)、ジョージア・オキーフ(Georgia O’Keeffe)の作品が、中米の作品にはシーケイロス(Siqueiros)、タマヨ(Tamayo)、リベラ(Rivera)の作品が見られた。欧州系の充実度はそれほどでもなかったが、やはり、地理的条件も関係してくるのだと推測する。

一階の正面入口を入った左側には、4階までの吹き抜けスペースにカフェがある。訪れたのが平日ということもあるが、地元の人が昼食を取っている姿が目に付き、和やかな雰囲気のスペースで非常に新鮮だった。

また、美術館の人が声を掛けてくる場面があり、展示室にいる係員の人は目が合うと挨拶を返してきた。西海岸のロサンゼルス、サンフランシスコで見られるフレンドリーさとは、少し異なる、誠実さのようなものが感じられ、個人的には非常に驚きだった。

2019年訪問。

​基本情報

​■ 名称:ダラス美術館
■ 住所 :  1717 N Harwood St, Dallas, TX, USA
​■ ホームページ:https://www.dma.org/