インディアン居留地にある神々しいスパイダーロックを見下ろし、異なる時間が流れる特殊な空間を感じる。
ナバホ・インディアン居留地にある国定公園。かなり辺鄙なところにある。入るとすれば、西側にあるグランドキャニオン、あるいは グレンキャニオン(ページ) から足を延ばすか、東側だとギャロップ(Gallup)になるだろう。近くには、シンリー(Chinle)という町がある。地図で見ると大きな町のように見えてしまうが驚くほど小さい。建物が少しある程度の町で食事をする場所も限られている。レストランに入り夕食を取ったが、満員で地元の人が打楽器を叩きながら歌っていた。観光客を相手にしているという雰囲気もなく、非常に不思議だった。
さて、このキャニオン・ディ・シェイ国定公園だが、とにかくスパイダーロック(Spider Rock)を目指そう。この200メートル程の高さがある岩の峰は他では目にしたことがないタイプの岩だ。モニュメントバレーにスリーシスターズ(Three Sisters)という似たような形状の岩峰はあるが少し違う。何が違うかというと、このスパイダーロックは渓谷の中に屹立していること、また、その渓谷の風を間近で感じることができることだ。
展望台は、スパイダーロックを眼下に少し見下ろす形になるが、すぐ目の前にあるように見え、その景観を楽しむことができる。また、訪れている人も少ないので、展望台にあるベンチに座り、このスパイダーロックと渓谷全体をゆったり眺めることができる。そこは、確実に他とは異なる時間が流れている。是非、この空間に身を置き、その特殊な空間を体感していただきたい。
尚、園内には、ホワイトハウス(White House Ruin)とマミーケイブ(Mummy Cave)という遺跡がある。いずれも崖上から確認できる。ホワイトハウスは谷底に位置しアクセスできる。谷底まで往復二時間ということだ。上から見下ろしていて行きたくなったが、時間がなく歩けなかった。時間がある方は是非トライしていただきたい。
また、ここまで来た場合には、是非、ナバホ・インディアン居留地の中を走って欲しい。オススメルートを二つ。
【オススメルートーA】
Page – 89/160号線 — Tuba City – 264号線 – 191号線 – Canyon de Chelly –160号線 – Four Corners –160号線 – Kayenta – Monument Valley – 163 号線 – 98号線 – Page
グレン・キャニオンのあるページ(Page)からキャニオン・ディ・シェイ(Canyon de Chelly)を経由し、 フォーコーナーズ(Four Corners)、モニュメントバレー(Monument Valley)と組み合わせて一周するコース。
【オススメルート-B】
Page – 89/160号線 — Tuba City – 264号線 — Window Rock — 491号線 — Gallup
グレン・キャニオン(Glen Canyon)のあるページ(Page)を出発し、ひたすら、264号線を東に向かうルート。途中経由するウィンドウロックは、ナバホ・インディアン居留地の首都。終着地のギャロップ(Gallup)は、ニューメキシコ州の風情のある町だ。尚、264号線は、ホピ・インディアン居留地とナバホ・インディアン居留地の中を縦断する幹線道路のためだろう、歩いている人々、所々に見える家並みは、アメリカの他の場所とは明らかに雰囲気が違うので、非常にオススメ。尚、私がこのルートを走った時には、ヒッチハイクをしている多くの人の姿が確認できた。
2006年訪問
基本情報
■ 名称:キャニオン・ディ・シェイ国定公園
■ 住所 : アメリカ、アリゾナ州
■ ホームページ: https://www.nps.gov/cach/index.htm
■ 行き方・その他
- グランドサークルの東の端にあるため、グランドサークルのスケジュールに組み込むのは難しいかもしれない。この場所だけ単独で行くのであれば、東側にあるニューメキシコ州アルバカーキから車で入るのがいいと思う。アルバカーキはアメリカ南部を実感できる街だし、アルバカーキからこのキャニオン・デ・シェリーへ向かう途中の町、ギャロップに立ち寄るのもお勧め。ギャロップは、かつてのルート66沿いの町で、居留地のゲートシティー的な位置付けの場所でもあり、アメリカ先住民文化を体感できる場所だ。
- 距離・時間
・アルバカーキから250マイル(400㎞)、約4時間。
・ギャロップから100マイル(160㎞)、約2時間。
(described on Apr 30 2019)
(updated on Dec 10 2023)