2000年以降、日本各地で芸術祭が行われるようになった。代表的な例で言うと、2000年に「越後妻有大地の芸術祭」、2001年に「横浜トリエンナーレ」、2010年に「瀬戸内国際芸術祭」が始まっている。もちろん世界各地でも行われている。有名なところでは、イタリア、ベネツィアで行われる、ベネツィア・ビエンナーレなどがある。
個人的には、2001年に行われた「横浜トリエンナーレ」が非常に印象に残っている。この2001年の初回は、パシフィコ横浜の広大な展示ホールを使用し、現代芸術だけが並んだ刺激的なスペースだった。この「横浜トリエンナーレ」に影響を受けた人は大勢いるのではないだろうか。例えば、Chim↑Pomのエリイさんは、この芸術祭がChim↑Pom結成のきっかけになったと語っています。
ここでは、私が訪れた芸術祭について記載しています。また、記事を記載している芸術祭は、地方で行われるものが多いのですが、これは、たまたま、本ウェブのテーマである「非日常空間」にフィットし印象に残ったため記事になっていると理解下さい。
尚、記事にしていない芸術祭については、下の方にリスト化し、一言コメントを記載していますので、合わせて参考にして下さい。
記事を掲載している芸術祭

BIWAKO BIENNALE / 琵琶湖ビエンナーレ (滋賀県)
滋賀県、琵琶湖付近で行われる歴史ある芸術祭。日本家屋に足を踏み入れ、暗闇に現れる日本文化を感じる現代アートに心が躍る。
(Feb 8 2025)

奥能登国際芸術祭 (石川県)
能登半島、珠洲(スズ)。山と海、両方の自然に恵まれた稀有な土地で、現代芸術が進化し続ける姿を確認する。
(Jul 16 2023)

中之条ビエンナーレ (群馬県)
群馬県、中之条。「地方型」で成功している芸術祭。廃校、廃屋に展示された作品を巡り、遠い昔の懐かしい記憶が蘇る。
(Jun 30 2022)
その他の芸術祭(記事未掲載)
■ 横浜トリエンナーレ
横浜みなみとみらい周辺で行われる芸術祭。2001年の初回のインパクトが強烈だった。その後、規模を縮小して継続している。基本はトリエンナーレなので3年に一回。ディレクターが毎回変わるため内容が変わる。今では、全国で多くの芸術祭が開催されるが、個人的には、この芸術祭が起爆剤となり、多くの芸術祭が開催されるようになり、加えて、現代アートの認知度が上がったという気がする。
・開催年:2001/2005/2008/2011/2014/2017/2020/2024年
・訪問年:2001/2005/2008/2011/2014/2017/2020/2024年
・ホームページ:https://www.yokohamatriennale.jp/
■ 大地の芸術祭/越後妻有トリエンナーレ
新潟県十日町とその周辺で行われる芸術祭。初回は2000年であり、日本における大型芸術祭の奔りと言えるかもしれない。アクセスしにくい場所ではあるが、地方型で成功した最初の芸術祭と言えるだろう。作品は、製作作品を積み上げていく方式。多くの作品が屋外設置のため、メンテナンスに課題がある印象を受けた。
・開催年:2000/2003/2006/2009/2012/2015/2018/2022
・訪問年:2015年
・ホームページ:https://www.echigo-tsumari.jp/
■ 瀬戸内国際芸術祭
瀬戸内海の島々を会場とする芸術祭。世界でも類をみない規模の芸術祭。島々を移動する行為が非日常を齎してくれる。基本は製作された作品を積み上げていく形式なので、新鮮味という観点では劣るかもしれない。会場の中心となる直島にある「地中美術館」「ベネッセハウス」も会場となる。トリエンナーレのため開催は3年ごとだが、多くの展示は芸術祭開催以外でも鑑賞することができるので、芸術祭の時に訪れなくてもいいような気がする。
・開催年:2010/2013/2016/2019/2022年
・訪問年:2010年
・ホームページ:https://setouchi-artfest.jp/
■ あいちトリエンナーレ
名古屋とその周辺で行われる芸術祭。2010年の初回は規模も大きくインパクトがあったが、その後は規模が縮小されている。ディレクターは毎回変わる。2019年は、展示作品の一部が物議を呼んだ。
・開催年:2010/2013/2016/2019/2022年
・訪問年:2010/2019/2022年
・ホームページ:https://aichitriennale.jp/
■ 茨城県北芸術祭
茨城県北部のエリアで行われた芸術祭。2016年に開催された。茨城県北部という観光目的で人が訪れることが少ない場所だったが、いい芸術祭だったと思う。2016年開催後、2019年開催が予定されていたが、最終的には中止となった。この茨城県北エリアは、観光視点で見逃されているエリアという気もしており、再開を検討してもいいと思う。
・開催年:2016年
・訪問年:2016年
■ Reborn Art Festival / リボーンアートフェスティバル
宮城県石巻市とその周辺で行われる芸術祭。「リボーン」という意味より推察できるが、この芸術祭は、2011年に発生した「東日本大震災」によって甚大な被害を被ったことを踏まえ、復興するという意味も含まれている。展示会場には、津波の被害を受けた場所も含まれていた。牡鹿半島、網地島が印象に残った。尚、次回の開催については発表されていない。
・開催年:2017/2019/2021-2022年
・開催年:2019年
・ホームページ:https://www.reborn-art-fes.jp/
■ 北アルプス国際芸術祭
長野県大町で行われる芸術祭。北アルプスの麓のエリアで行われる芸術祭。「水」をテーマにしている。山、湖、川を生かした場所、また、神社が舞台になっている会場がいくつかあり、歴史を感じる印象に残る作品に出会える。
・開催年:2017/2021/2024年
・訪問年:2024年
・ホームページ:https://shinano-omachi.jp/
■ ヴェネツィア・ビエンナーレ
イタリア、ベネツィアで行われる芸術祭。初回の開催が1895年ということであり、100年以上の歴史がある。おそらく、世界でもっとも有名な、かつ歴史ある芸術祭だ。展示形式は少し特殊で、パビリオンを持っている国があり、その国は、そのパビリオンで作品を展示する。日本もパビリオンを持っている。私は一度しか訪れていないが、芸術祭として何か特筆する特徴があるような印象は受けなかった。
・開催年:1895年~
・訪問年:2013年
・ホームページ:https://www.labiennale.org/it
(descried on Mar 9 2025)