アメリカ、ピッツパーグ。60年代から80年代のポップアートの巨匠であるアンディ・ウォーホルの作品を巡り、そのテーマの根底に「死」と「無常」があることを知る。
アメリカ、ピッツバーグにある美術館。1960年から80年代にかけて活躍したアーティスト、ポップアーティストの旗手であるアンディ・ウォーホルだけの作品を展示している美術館だ。アンディ・ウォーホルは、アート作品の製作にとどまらずロックグループのプロデュース、映画製作でも活躍したアーティストだが、ピッツバーグで生まれ育っている。


アーティスト一人だけの作品を展示する美術館は、有名なアーティストに限られる印象があるが、アンディ・ウォーホルであれば、当然のようにも思えてしまう。それぐらい、影響度が大きかったアーティストと言えるだろう。
美術館は、ピッツバーグのダウンダウンにある。美術館の前の通りは、ダウンタウンを流れる川に架かる橋まで続いている。この通りには、Warhol Street という標識が見え、橋には Andy Warhol Bridge という看板がある。美術館は古い7階建てのビル。入口を入った左側に受付カウンターがある。

展示室は7階まで。一階エレベーターの横に椅子があり男性が座っていて、「7階に行って下りながら見てきて下さい」と言われる。その男性の話し方から、ゲイの方のような雰囲気が漂う。ウォーホルは、公言していないが、ゲイだったという見方があったことが関係しているのかもしれないと勝手に思う。
私が訪れた時は、有名になる前の作品が7階に展示され、60年代~70年代の最盛期の作品が6階に展示されていた。エルビス・プレスリー、マリリン・モンロー、ジャッキー・ケネディー、エリザベス・テイラーのプリントが並んでいる。日本人では坂本龍一があった。
ちょうど、6階でガイドツアーを行っていたため参加する。有名人をモチーフにした作品について説明を受ける。
エルビス・プレスリーの肖像画
よく見る作品で、映画のワンシーンのポートレイトが10枚ほど並んでいる。右から左に向かって薄くなっている。これが何を意味するのか、についてウォーホルは説明していないが、「人気はいつまでも続かない」というメッセージではないかということだった。

ジャッキー・ケネディー
6枚のポートレイトが展示されていたが、1枚を除いた5枚がJFK(ジョン・F・ケネディー)が亡くなったあとの顔を使用しているという説明だった。展示室の中央には、ポートレイトのもとになった雑誌が置いてあり、顔の部分が切り取られている。ジャッキーはアイコンだったが、それはJFKが亡くなったことによるものという見方をしている。また、ウォーホルは、不幸があった人を題材にしているという説明だった。


エリザベス・テイラー
エリザベス・テイラーは、離婚を繰り返し、体調が悪かったことが多かったが、このように「不幸だった人を題材にしているのでは」という説明だった。

マリリン・モンロー
マリリン・モンローのポートレイト。これは多くの美術館で目にするが、実は一種類しかないということだった。このポートレイトの版元は、マリリン・モンローが出演したNiagaraという映画で、この映画は、唯一、モンロー役が亡くなった映画ということだ。また、このポートレイトは映画でポーズをとっているものではなく、素に近い顔写真ということだった。


スカル
「スカル」(ドクロ)という作品が5階にあったが、要するにウォーホルのテーマの一つは、「死」ということのようだ。今回は展示されていなかったが、「電気椅子」という有名な作品もある。ウォーホルのテーマが理解できたような気がした。

ウォーホルの作品は、シルクスクリーンプリントが多いため、世界中の美術館で作品を目にするが、是非、ガイドツアーに参加して、説明を聞いてみていただきたい。



尚、美術館の一階の脇にはカフェがあり、一階に並んだテーブルで寛ぐことができるようになっている。
東海岸の大都市というと荒廃したイメージを勝手に持っていたが、ピッツバーグのダウンタウンを歩いた印象は、整備された綺麗な街というものだった。


アンディ・ウォーホルが好きな方は、是非、訪れていただきたい。
2025年訪問
基本情報
■名称:アンディ・ウォーホル美術館
■住所:117 Sandusky St, Pittsburgh, PA, USA
■ ホームページ:https://www.warhol.org/
(described on Jan 17 2026)

