ロサンゼルス、サンタモニカ通り。歴史を感じる造りのクラブで、ロックが死んでいないことを確認する。
ロサンゼルス、サンセット通りの南、サンタモニカブルバード沿いにある老舗のライブハウス。80年代のグラムメタルブームの時は、サンセットストリップにある、ウィスキー・ア・ゴーゴー / Whisky a Go Go, ロキシー / The Roxy と共に、ロックバンドが演奏することを目指していたライブハウスだった。箱の大きさは、ウィスキー・ア・ゴーゴー、ロキシーと同じ程度、ステージも広い。入口の扉を潜ると、左手にバーがあり、入口扉の上には「Hall of Fame」と書かれたプレートがある。このライブハウスは、数々の著名なミュージシャンが演奏したことで知られる場所で、多くの写真が壁に掛かっている。
奥にあるステージは、幅15m、奥行き5m、高さは60-70㎝程度あり、非常に見やすい。二階席もあり、天井も高く、木造りの館内は、歴史を感じるいい雰囲気だ。一階の観客スペースは100人以上入れる広さで、後方にバーエリアがある。
最初に訪れた時に演奏していたバンドは、日本の “Buffalo Daughter”。演奏前、チケット売り場に行列ができており、アニメのキャラクターの格好をした人、ポップな帽子を被った人やら、街中では見かけないタイプの人が目につき、嫌な予感がしたものの、演奏自体は完成されていて、刺激的、かつ新鮮だった。
一階で立って見るよりは、二階の椅子席と思い、二階へ向かい、一番後方に座った。このスペースだが、サーカス小屋の天井部屋というイメージで、非常に気に入った。席の左側にはPAエリアがあり、演奏中、エンジニアが、ステージ背後に映し出される映像をスイッチングするため、懸命に手を動かしていた情景が目に焼き付いている。
ちなみに、2019年に訪れた時には、2002年と比較すると、二階席が少し変わったような印象を受けた。木製のベンチ席は変わっていないが、前のベンチの背後にテーブルが付き、スペースが広くなったような気がしたし、ステージに向かって右側二階には、招待客専用の観客席があるように見えた。また、向かって左側にあるPAスペースが広くなったような気がした。
このトルバドールは、サンセットストリップのウィスキー・ア・ゴーゴー、ロキシーと比較すると、館内の造り、雰囲気の点で、一番、歴史を体感できるライブハウスだと思う。それは、トルバドールが、1957年開業と一番古いこと、また、演奏する音楽のジャンルが比較的幅広く、ロック以外にも、ポップス、フォーク系の有名ミュージシャンが演奏していることも関係しているはずだ。
周辺は、ゲイバーが並ぶエリアで有名だが、バーの密集地からは5分程歩く必要がある。サンセットストリップの店もそうだが、混雑している店は、訪れるたびに異なっているようであり、人気を継続することの難しさがうかがえる。付近には、駐車場がないので、少し離れた場所に車を止め、バーの横を歩きながら、この特殊な空間を体感するのも楽しい。
ちなみに、サンセットストリップにあるライブハウスからは少し距離が離れているので、歩いて梯子をするというのは厳しいと思う。サンセットストリップの一番西に位置していた、旧ギャザリーズ、旧キークラブ近くのノース・ドエニー・ドライブを南に下ると、トルバドールがある交差点に出るが、途中は住宅街で、暗くて歩きにくい。サンセットストリップとは少し距離がある点も、このライブハウスが、サンセットストリップにあるクラブとは多少雰囲気が違う要因なのかもしれない。
2002年、2019年訪問。
基本情報
■ 名称:Troubadour
■ 住所 : 9081 N Santa Monica Blvd, West Hollywood, California, USA
■ 演奏したミュージシャン:
Motley Crue, Red Hot Chili Peppers, the Eagles, Jackson Browne, Bruce Springsteen, LA Guns, Billy Joel, Poison, Warrant, WASP
■ ホームページ: https://www.troubadour.com/
(described on Dec 30 2018)
(latest update on Sep 23 2023)