山梨、キース・ヘリング専門美術館。ストリートアート先駆者の作品を見ながら、80年代を感じる。
この現代美術館は、中村という個人のコレクターの方が始めた美術館だ。場所は極めて不便なところにある。山梨県、小淵沢の駅からバスで20分程度(*)。東京、新宿からだと特急電車で二時間と少し。キース・へリングは、八十年代を象徴するような人だが、一般受けするタイプでもないことも踏まえると、わざわざこんなところまで来る人がいるのかと思ってしまう。
ただ、美術館の外観、内観、展示、すべてにおいて刺激を受けたというのが、素直な感想だ。受付脇にある、ショップ奥のカフェスペースは、椅子に座ってコーヒーを飲んでいるとワクワクするし、展示も､キース・へリングお馴染みの、人をマーキングしたオブジェが、いい感じに配置されている。
キース・ヘリングは日本にもよく足を運んだ人のようで、館内には日本を訪れた時の昔の記事が掲載されている。作品に描かれている模様をよく見ると、平仮名が使われていたりするので、日本に対する関心は相当高かったのではないかと推測する。
建物自体はそれほど大きくないが、「この先はどのようになっているのだろうか?」と鑑賞者の想像力を煽るような造りになっている。この美術館を造り上げた方には敬服する。
(*) 2020年に訪問した時には、美術館へのバスはなくなっていた。従い、車による足がない方は、タクシーで訪れることになるので注意が必要。
2016年、2020年訪問
基本情報
■ 名称：中村キース・ヘリング美術館
■ 住所 : 10249-7 Kobuchisawachō, Hokuto-shi, Yamanashi-ken, Japan
■ ホームページ： http://www.nakamura-haring.com/
