ロサンゼルス・カウンティー美術館 (LACMA) (Los Angeles, USA)  

アメリカ、ロサンゼルス。西海岸最大の美術館で多彩な作品に出会う。

ロサンゼルスの現代美術館というと MOCA(ロサンゼルス現代美術館)というイメージがあり、ロサンゼルスを訪問するたびに MOCA と MOCA別館(ゲッフェン・コンテンポラリー)を訪れていた(別館は閉まっていることが多かったが)。ロサンゼルス・カウンティー美術館(LACMA)は存在は知っていたが、90年代は足を運ばなかった。

何故、足を運ばなかったのかと言えば、名前が Los Angeles County Museum of Art(ロサンゼルス郡美術館)だったからだ。そこにModern(近代)という言葉がなかったため、ローカルに特化した、かつ、展示しているものも欧州から集めた古い絵ばかりに違いない、と思い込んでいたのだ。

初めて訪れたのは2000年に入ってから。時間が余りどこに行くか悩んでいた時にこの場所が浮かんだ。そして、実はこの美術館も近代・現代系の多くの美術品を展示しているという事実を理解することになった。敷地が広くビルがいくつかあり複雑なので、自分の好みのところをピンポイントで回ることをお勧めする。すべてをじっくり見て回っていたら一日かかってしまうだろう。

作品は絵画が中心で、博物館的要素も持ち合わせている。特にラテンアメリカ系の作品が充実している。ダビッド・アルファロ・シケイロス(David Alfaro Siqueiros)の作品も展示されていた。また、東側のビルにある日系の展示室に、埴輪と縄文式土器が展示されているのには驚かされた。イギリス、大英博物館の展示よりも充実している。

2018年に訪れた際には、「デイヴィッド・ホックニー(David Hockney) の 48 Portraits & 1 Still Life」という企画展が催されていた。知人の肖像画 48人プラス静止画一枚が展示された企画展だったが、この作家のセンスの良さを改めて認識、かつ、この企画展を開催してしまう懐の深さを羨ましく感じた。ちなみに、デイヴィッド・ホックニーは、この企画展が行われていた時は、ロサンゼルス、ハリウッドヒルズ(Los Angeles Hollywood Hills)に住居兼アトリエを構えていた(2023年現在、フランス、ノルマンディーを拠点にしている)。

尚、この美術館はアメリカ西海岸最大ということだが、チケットは入場料25ドル(ロサンゼルスに住んでいる人は20ドル)と少し高めだ。ロサンゼルス居住者は、平日午後3時以降は無料となっているので、やはり、地元の人を意識した美術館なのだろう。

2002年、2014年、2018年、2019年訪問。

​基本情報

​■ 名称:LACMA (Los Angeles County Museum of Art)
■ 住所 : 5905 Wilshire Blvd, Los Angeles, CA 90036, USA
​■ ホームページ:https://www.lacma.org/