非日常感:★★★☆☆
箱/空間:★★★☆☆
独自性:★★☆☆☆
ニューヨークシティー、1961年開設の老舗ライブハウス。鮮やかな照明のステージで、飛び入り参加したトランペットの演奏に酔いしれる。
ニューヨークにあるライブハウス。ニューヨークのロック系ライブハウスというと、どうしてもCBGBが浮かぶが、ずいぶん前に閉店してしまった。ニューヨークのライブハウスの様相もずいぶん変わったと思う。90年代から2000年代にかけては、足を運んでもよさそうなライブハウスが点在していたが、今では、マンハッタンにあるライブハウスは限られてしまった。
このThe Bitter Endは、私が最初にNYCを訪れた1988年には既に存在していたが、優先順位が低かったため訪れることはなかった。当時の優先順位は、CBGB、Bottom Lineで、このThe Bitter End があるグリニッジビレッジのライブハウスは、学生が飲むために訪れる印象があり、音楽を聞く場所ではない感覚があったため訪れなかった。オープンは1961年。店は「New York City’s Oldest Rock Club」と謳っているが、実際にはフォークやシンガーソングライター系も演奏される歴史あるライブハウスだ。

2025年のNYC訪問前に調べたところ、足を運んでみたいと思った唯一のライブハウスが、このThe Bitter Endだった。とても印象に残った場所だったため、ここに記載したい。
場所は、マンハッタン、グリニッジビレッジ。ワシントンスクエア公園の南に位置する。周辺はニューヨーク大学の建物が並ぶ場所で学生の姿が目に付く。私が訪れたのは、このライブハウスが定期的に開催している Monday Night Jam。
告知には、21時半ドアで22時開始とあったが、22時ちょうどに到着しても、始まる気配はなかった。入口で10ドルを払う。IDチェックはなく手に黄色の紙を撒かれる。ステージには3人程度が機材の準備中。しばらくすると、人がやってきて荷物からキーボードを取り出し設置し始める。その後22時半を過ぎた頃に男性がやってきてベースを設置し始める。今回のGigはHouse bandでJamセッションのためだろう。思い思いに出勤してくるような感じだった。

そして、演奏が始まったのは22時45分頃。メンバー紹介と各自の演奏から入る。途中ドラムが変わる。ドラムは4人、ギターは飛び入り一人、トランペットは追加で一人、サックスが飛び入り。女性ギター&ボーカルの飛び入り。飛び入りの人は、ボーカルの全体を仕切っている人と言葉を交わし、「会うのは初めてだよね」「実は、私はボストン出身なんですよ」「あっ、そう、実は私も」というような会話が行われる。

ステージは、10mx2.5m程度、ステージは高さ30㎝程度。館内は細長い作り、40mx10mという感じだろうか。店内に入り、右手にステージ、正面にテーブルと椅子が並んでいる。面白いのは、ステージに接してテーブルが並び、その前に椅子が並んでいることと、後方はボックス席になっていることだろう。ステージは広く見やすい。規模の小さいライブハウスにしてはステージが広く、また客席から非常に見やすい。また、照明がとても鮮やかでいい感じ。雰囲気だけ見ていると、高級ジャズクラブに来ているような感じだ。

観客席は三列。私は二列目に座る。私が店内に入った時には、後方のボックス席に数人がいるだけだったが、演奏が始まる頃は10人程になっていた。バーカウンターは、店内に入り左側、カウンター席が10ケ程並んでいる。私はGuiness Beerを頼む、8ドル。とにかく物価が高くなったが、まだ10ドルで収まるところが救いだろう。
テーブルに戻ると、隣のテーブルに座っていた男性が私に声を掛けてくる。「そのビールは何?」。私は「Guinessだよ」と答える。男性は、理解したのかしていないのか、よくわからない反応をするが、そのあと自分でカウンターに行き、Guinessと思われるビールを持って帰ってくる。この種の会話はアメリカでは経験したことがあるが、これは話のきっかけを作ろうとしているのか、それとも単純に飲んでいるものに興味があったのかはいまだによくわからない。
尚、開演後、最初にボーカルが場内を見渡し「何人か知らない顔があります」と言い、私ともう一人に向かって「I do not recognize you」と言う。こういう会話ができるところも、ローカルのライブハウスの利点かもしれない。
トイレは、奥に個室が二つ。All Genderのマークが扉にあった。また、ステージのさらに奥、店の入口からステージを横切り奥まで行ったスペースは、ソファーが並んだいい感じの空間だった。


私は、0時を少し回ったところで退散したが、入店した時はガラガラだった店内が、観光客っぽい人の姿、ふらっと立ち寄った人の姿も含め、一番前の席を除き8割程度の席が埋まっていた。
歴史を感じる場所で、照明が素晴らしいステージを正面に演奏を楽しんでいただきたい。
尚、NYCは、本当に安全になったと思う。80年後半から90年代は、夜歩くことに非常に気を使ったが、25年に訪問した印象は、歩きやすくなり危険度が下がっていることだ(もちろん、日本とは全然違うので注意が必要ではあるが)。
2025年訪問
基本情報
■ 名称:The Bitter End
■ 住所 : 147 Bleecker St, New York, NY, United States
■ 演奏したミュージシャン:Bob Dylan, Billy Joel, Patti Smith, Taylor Swift, Neil Young
■ ホームページ:https://bitterend.com/
Originally published on Jun 14 2026