グッゲンハイム ビルバオ美術館 (Bilbao, Spain)

スペイン、バスク地方、ビルバオ。美術館が町興しに貢献できることを証明した場所。建物の異質性に触れ、館内の非日常空間を体感する。

スペイン、ビルバオにある現代美術館。1997年の開業以降、ビルバオに観光客が集まるようになり、経済復興を遂げたきっかけを作った美術館として有名だ。特に、その外観は、初めて見る人に、強烈な印象をもたらすはずだ。

この美術館があるビルバオは、所謂、バスク地方に位置するが、バルセロナ、マドリッドとは違い、忙しくない感じが心地良い。

グッゲンハイム美術館は、ニューヨークと ベニスにもあるが、この場所は、とにかく展示スペースがゆったりしている。特に3階にある302と304の展示室には、数えるほどの作品を贅沢な空間に展示していて、非常に心地良かった。私が訪れた時は、アンセルム・キーファー(Anselm Kiefer)の大版作品が印象的で、サイ・トゥオンブリー(Cy Twomblu)のシリーズの作品が、センス良く並べられていた。加えて、アンディー・ウォーホル(Andy Warhol)のマリリン・モンロー(Marylin Monroe)の版画作品があった。これは、様々な美術館で目にしてきたが、これだけ大型サイズの作品は初めてで圧倒された。

この美術館の建物の設計は、フランク・ゲーリー(Frank Gehry)。ロサンゼルスにあるウォルトディズニーコンサートホール(Walt Disney Concert Hall)と形状は酷似している。ウォルトディズニーコンサートホールを初めて目にした時、その斬新さに目を奪われたが、このグッゲンハイムを目にした時も、その斬新さは色褪せなかった。

建物の中は、3階まで吹き抜けで、展示室が不規則に並んでいる。展示室の間を吹き抜けのスペースをつなぐように廊下が架かっていて、眺めも素晴らしい。作品に興味がない人でも、建物の中を歩くだけでも楽しめるし、建築に興味がある人にとっては参考になる建物だろう。非日常感満載の贅沢な空間だ。

建物の周りは散歩道のようになっている。建物のすぐ横にある橋との景観が印象的だ。是非、ゆっくりと散策していただきたい。ちなみに、この美術館は、展示室内の写真撮影が禁止だった。各展示室に必ず係員が立っており、スペインという国の印象からすると少し奇妙に感じた。

尚、このグッゲンハイム美術館から、歩いて10分程度の場所には、ビルバオ美術館(Museum of Fine Arts)がある。グッゲンハイムが、現代芸術、コンテンポラリーアートに特化しているのに対し、この美術館は、中世絵画、宗教絵画から現代芸術まで、幅広く展示されている。足を運ぶ価値がある美術館だ。ちなみに、この美術館もグッゲンハイム美術館同様、写真撮影は禁止だった。展示室内には係員の人がおり、この点は、グッゲンハイム美術館と合わせているのか、あるいは、グッゲンハイム美術館が合わせているのかが気になった。

​2019年訪問

​基本情報

​■ 名称 : グッゲンハイム ビルバオ美術館
■ 住所 : Etorb., 2, 48009 Bilbo, Bizkaia, Spain
​■ ホームページ :  https://www.guggenheim-bilbao.eus/