ロサンゼルス、サンセットストリップ、Van Halenを生んだ歴史あるクラブで、80年代ロックブームの終焉を感じる。
ロサンゼルス、サンセットストリップにある三つのライブハウスの、一番西に位置する(していた)。かつて、”バン・へーレン / Van Halen” がハウスバンドとして演奏していたことで知られている。サンセット通りを、ロサンゼルスの中心から走って来ると、まず ウィスキー・ア・ゴーゴー / Whisky a Go Go が見え、続いて ロキシー / The Roxy、最後に ギャザリーズ / Gazzarri’s という順番。
ロキシー を越えると、道路沿いの店も少なくなるので、少し寂しい感じはする。周りに訪れるところが少なく、駐車場がないため、ウィスキー・ア・ゴーゴー あるいは、もう少し東にある サンセットプラザ / Sunset Plaza あたりに車を止め、ギャザリーズ まで歩いて来る、というような感じだった。
ロサンゼルスのライブハウス の記事で書いた通り、私が、ギャザリーズ を訪れたのは1991年。当時は、ロキシー が一番人気があり、端に位置していたこの ギャザリーズ は、人気は下降気味に感じられた。
私が入った時、場内には、観客が10名程度しかいなかった。演奏していたのは長髪で、化粧をした、コテコテのグラムメタルバンドだったが、ステージ前で立っている客は、80年代風のボディコンチックな衣装を来た二人の女性だけで、ギターの前に立ち、ギタープレイヤーだけを見ながら身体を揺すっていた。
私は後方にあった椅子に座り、演奏を眺めていたが、ベースプレイヤーが、自分の前に観客がいないことに魔が差したのか、後方に座っていた私に向かってアピールするようなアクションを取った。私は、突然のことで反応できなかったのだが、そのベースプレイヤーの表情から垣間見える空しさのようなものが、グラムメタルの終焉を実感したときだった。
特徴的なのはステージが高かったこと。通常は、高いと言っても数十センチ程度だったりするが、ここは1メートル以上だった。また、ステージの幅も広く、演奏者からすると気持ち良さそうなステージだった。近くにある ロキシー、ウィスキー・ア・ゴーゴー を含めた三つの中では、個人的には、この ギャザリーズ のステージの造りが一番気に入っていた。
一度しか訪れなかったものの、上述の、「こてこてのグラムメタルバンド + 綺麗系の女性二人 + ガラガラの箱 + ベースプレイヤーのアピール」という光景が、目に焼きついてしまった場所だ。
尚、ライブハウスの運営方法として、「ペイ・トゥー・プレイ/Pay to Play」という仕組みがある。これは、演奏者が店にお金を払えば、演奏ができるシステムのことで、演奏者が事前にチケットを店から購入して、自分たちで客を探してチケットを売るシステムだ。このシステムは80年代に入り、しばらくして始まったとされるが、この「ペイ・トゥー・プレイ」を始めたのが、このギャザリーズだったとも言われている。
このライブハウスは、1993年に閉店。その後、建物はそっくり建て替えられ、特徴のない極めて普通のライブハウス、ビルボードライブ/Billboard Live、その後、キークラブ/Key Club に名前が変わり、現在は、1OAK というダンスクラブになっている。
1991 年訪問。
基本情報
■ 名称:Gazzarri’s
■ 住所 : 9039 Sunset Boulevard West Hollywood, California, USA
■ 演奏したミュージシャン:
The Doors, Van Halen, Go-Go’s, Ratt, Cinderella, Quiet Riot, Stryper, Motley Clue, Poison, Guns N’ Roses, Warrant
(described on Dec 30 2018)
(latest update on Feb 1 2020)