広大な荒野に立つアメリカの原風景。赤茶色のビュートを眺め、大地が発するエネルギーを感じる。
ユタ州にある公園。ナバホインディアン居留地にあるナバホの人が管理をしている公園だ。従い、正確には、国立公園でも国定公園でもない。ただ、ナバホインディアン居留地(ナバホ半独立国)の公園と言う意味では、国立公園という見方もできるので、ランキングに入れさせていただいた。
この場所は、とにかく驚愕の景観を楽しむことができる。赤茶色のビュート(Butte)が並ぶ光景は、気に入った場所を見つけて、腰を落ち着け、そのエネルギーを感じ取って欲しい。園内は、車で一周できる。ビジターセンターから未舗装道路が園内を廻っており、いくつかビューポイントがある。特に、ジョン・フォードポイント(John Ford Point)は秀逸。ここから見えるビュートを臨む景色は、絵画を見ているのではないかという錯覚に陥ったほどだ。
ジョン・フォードポイントは、高台から遠くに見えるビュートを臨む場所で、高台の先が狭く、数人しか立てない場所で、絶好の撮影スポットだ。撮影後、人が居なければ、この場所に立ち続けて欲しい。荒野の大地が発するエネルギーを必ず体感できるはずだ。
ジョン・フォードポイント以外にも、いくつかポイントがあるが、このジョン・フォードポイントを最初に見てしまうと、他のポイントはインパクトが小さいかもしれない。そういう意味では、ジョン・フォードポイントを一番最後に取っておくのが一つのアイデアかもしれない。ジョン・フォードポイントは、バレーロードのポイント#4。一般車で入って鑑賞できるポイントは#1~11。ジョン・フォードポイントは、メインロードから若干脇に入った場所にあるので、#1→2→3→5→6→7→8→9→10→11と#4を飛ばして廻ってから、最後に#4というのが理想かもしれない。時間がない人は#6/7/8/9は省略し、ジョン・フォードポイントに長居するというのもいいだろう。
尚、園内は未舗装道路のため、注意が必要だ。赤土の道路は4WDが必須という訳ではないが、路面の凹凸に気を配りながらの運転が必須。非常に稀だが、雨が降った場合には一般車は厳しいだろう。特にレンタカーの一般車は、未舗装道路が保険対象外なので、返却する前に洗車をしておいた方がいいと思う。私は、レンタカーを返却する際に、「何故、車が赤土で汚れているのか?」と言われ、警告を受けている。
この問題を避けるためには、ビジターセンター付近で待機しているバン(Van)によるツアーに参加することになる。ただし、このツアーは一般車で入れない場所まで行けるメリットはあるものの、気に入った場所で長居できないので、個人的にはお勧めしない。一般車で入れないポイントは、#6から南に入っていくエリア。バレードライブの奥に入っていくことになるが、上述の通りジョン・フォードポイントを最初に見てしまうと、インパクトは小さいと思う。
また、是非、この場所は一泊して欲しい。私は、近くにある Goulding’s Lodge に宿泊したが、ここで夜に開催されていたモニュメントバレーのスライドを見せてくれるショーが素晴らしかった。また、このロッジあるいは、ビジターセンターにある The View Hotel に宿泊できない場合には、一番近くにあるカイエンタ (Kayenta) の町にあるモーテルに泊ることをお勧めする。この町には、限られたモーテルと店しか存在しないが、乾いた風土に溶け込んだ雰囲気のある場所だ。
カイエンタには、バーガーキングがあり、この店内に、ナバホの人が、第二次世界大戦の日本戦にて、ナバホの言葉を暗号として使い、活躍したという説明が展示がされており、興味深い。
また、ナバホインディアン居留地は広大だ。ただし、この居留地は、不毛の地とも言え、アメリカにやってきた(侵略した)人の論理が通っているということは理解をしておくべきだと思う。このあたりは、本田勝一の「アメリカ合州国」に書かれているので、読んでみて欲しい。このNavajo居留地全体を把握するという意味では、160号線を南下し、89号線と交差する少し手前から東に延びる264号線をニューメキシコ州のギャロップ(Gallup)の町まで走るのがいいと思う。歩いている人、道路沿いの景観・雰囲気は、明らかに、他の国道とは異なることを感じ取れるはずだ。
1994年、1998年訪問。
基本情報
■ 名称: モニュメントバレー
■ 住所 : アメリカ、ユタ州、アリゾナ州
■ ホームページ:https://navajonationparks.org/tribal-parks/monument-valley/
■ 行き方・その他
- 近くに大きな街はない。ラスベガス、ソルトレイクシティー、アルバカーキの三都市で見ると、距離的に一番近いのはアルバカーキ。ラスベガスからグランドサークルの一部として訪れる場合が多いと思うが、モニュメントバレーとその周辺に絞るのであれば、距離的に一番近い、アルバカーキが良いだろう。
- アルバカーキは、ニューメキシコ州の州都であり、西海岸からのフライトも多い。アルバカーキからモニュメントバレーに向かう途中には、#8に挙げているキャニオン・デ・シェイ国定公園があるし、インターステート40号線沿いにあるギャロップという町は、かつてのルート66沿いの町で、古き良きアメリカを体感できる素敵な場所である。
- また、上述の記事に記載した通り、264号線は、ナバホ居留地を感じることができるルートでもある。モニュメントバレー、及び、周辺の居留地には足を運んだことがない方には新たな発見がある場所だ。
- その他、ルートに組み込むことができる場所としては、コロラド州、アリゾナ州、ユタ州、ニューメキシコ州の四州が交差するフォーコーナーズモニュメントが挙げられる。さらに、ゲートシティーとして挙げているアルバカーキもニューメキシコ特有の南部を感じさせる雰囲気のある場所だし、少し欲張れば、素敵な景観の街、サンタフェにも足を延ばすことが可能だ。
- 距離・時間
- アルバカーキからモニュメントバレーまで320マイル(520㎞):約6-7時間
- ラスベガスからモニュメントバレーまで400マイル(640㎞):約7-8時間
- ソルトレイクシティーからモニュメントバレーまで380マイル(610㎞):約7-8時間
(described on Apr 30 2019)
(latest update on Aug 9 2021)