レイキャビク  (Iceland)_最果ての大海の島_白夜の地

最果ての大海の島、白夜の地、レイキャビク。カラフルな家々が並ぶ街を歩きながら、人が歩いていないことに気付き、非現実感に覆われる。

世界地図を見たとき、アイスランドは好奇心を掻き立てられる場所だ。この北の最果ての大海に浮かぶ孤立した場所は、どのようなところなのか? また、歌手のビョークを生んだ場所という印象も強く、いつの日か訪れたい場所だった。

最初に訪れたのは7月でちょうど白夜の時期だった。それでもレイキャビクは夜中の12時頃になると暗くなったが、北にあるアークレイリを訪れた際には、本当に一晩中明るく慣れるまでに時間を要した。

レイキャビクの街はとにかく静かだ。街の中心は観光客も多く賑やかだが、少し裏道に入るとおもちゃのようなカラフルな家が並んでいるだけで、誰も歩いていなかったりする。また、白夜の時期は夜10時あたりを過ぎると店も閉まっており、通りを歩いていると明るいのに誰も歩いていない場面に遭遇する。素敵な家が通り沿いに並んでいるが、その通りに誰もいない状況は映画か何かのワンシーンのように思えた。

街の人々についても静かで素朴な人が多いという印象だ。ホテルの人、店の人、レストランの人、皆、落ち着いていて静かだった。また、皆、英語が話せるのでやりとりについては不便はなかった。店に入ると、店員の人もアイスランド語で話し始める訳でもなく英語で話し始めていた。

レストランに入ったときに「何故、英語が話せるのですか?」という質問を投げかけると、レストランについては、ほぼ全員の答えが「私はアイスランド人ではなく、どこどこから来ている者です」というものだった。それは、ポーランドであり、ギリシャであり、イギリスであった。中にはイランから来ている人もいた。このような人たちは「アイスランド語は話せないんです」という人がほとんどだった。

レストランに入ると、席がある程度埋まっていてもガヤガヤした感じがなかった。皆、静かに話しながら食事をしているという印象だ。アイスランドは人口30万人、レイキャビクの人口は12万人程度。欧州本土で言えば、地方の小さな都市という規模感も関係しているのかもしれない。

レイキャビクで見るべきものと言われると答えに困ってしまう。美術館に行くのもいいだろうし、目にしたことがない形状のハットルグリムス教会を訪れ、展望台まで上って街を一望するのもいいだろう。ただ、やはり、個人的なお勧めは街の中を歩き回り、カラフルな洒落た家々が存在しているにも関わらず、人がいない特殊な空間を体感してもらうことだ。

尚、上述のお勧めの体感を極めたい方は、アイスランドの地方都市に行くといいのではないだろうか。私は北東にあるアークレイリという町を訪れたが、レイキャビク以上に特殊な空間であった。このレイキャビクの北東に位置する町は、白夜になると、本当に陽が暮れないため、夜、町を歩いていると非現実空間に身を置いている感覚に襲われた。

また、アイスランドで忘れてならないのは、とにかく滝が多いということである。いくつか滝を訪れたが、グトルフォスの滝と、セリャラントスフォスの滝は、他では見たことがない類のものだった。一般的なローカルツアーに参加すると、必ず滝の訪問が組み込まれているので参加してみていただきたい。

あるツアーに参加した時に、ガイドの方が「若者は海外に出ていくけれども、最終的には、ほとんどの人がアイスランドに戻ってくるんです。この点が他の国とは違うところなんです」と説明していたが、何となく理解できるような気がした。

最後に、これは寒い場所では基本的なことなのだと理解しているが、時間を守るということは徹底しているように感じた。私は指定の時間に微妙に遅れることによって、バスに乗り遅れ、ツアーの送迎を逃し、空港では飛行機に乗り遅れそうになっている。特に南ヨーロッパと同じ感覚でいると困ったことになるので、この点は頭の中に入れておいていただければと思う。

もう一つ、重要なことを記載しておく。アイスランドはとにかく物価が高い。感覚的には日本の二倍の物価だ。レストランで二人で普通に夕食を食べて1万円はしてしまう。地元の人も認識しているようで、会計の時にまあまあ普通の価格かなあと思ってそのアイテムを持ってレジに行くと「そのアイテムは、適正価格でしょう?」と店の人に言われたりする。

尚、ハットルグリムス教会の前の道路の映像を取っているので参考までに見ていただければと思う。https://www.youtube.com/watch?v=hmsvRcCFmGM&t=2s

2012年、2019年訪問。

基本情報

​■ 名称 : レイキャビク、アイスランド
■ ホームページ (レイキャビク観光局) : https://visitreykjavik.is/city/reykjavik-official-tourist-information-centre

(described on Dec 28 2019)

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