ルーブル美術館@アブダビ (Abu Dhabi, UAE)

白を基調とした「非日常」を思わせる空間で、ウズベキスタン人のスタッフと英語で話し、その「非日常」感が膨らむ。

フランスパリ、Louvre美術館の別館。パリのLouvreについては、個人的には興味がない。どうも、歴史博物館的要素がある場所は、しっくりこないためだ。従い、この美術館も期待はしていなかったが、新しい設計・建物に加え、UAEという部分もあり、「非日常空間」の観点で、充分刺激となった。

UAEについては、ドバイのブルジュ・ハリファ、アブダビのシェイク・ザイード・モスクなどを一通り徘徊し、車で高速道路を走ったが、アメリカの都市に雰囲気が似ている。ただ、アメリカの都市と異なるのは、「清潔であること」、「静かであること」、そして「匂いがしないこと」という気がした。匂いとは、生活臭ということになるが、突き詰めると、人の匂いがしない、ということだ。もちろん、人は大勢歩いているが、何故か、匂いがしない。この点が、アメリカの都市とは異なるのかもしれない。

さて、この「ルーブル美術館@アブダビ」についてだが、2017年に建てられたということもあり、建物は非常に綺麗。白を基調とした現代建造物は、「非現実感」「非日常感」で満たされていた。展示は、前半は、博物館的な要素の展示で、レイアウト・見せ方が素晴らしく、日本のアイテムも何点か展示されていた。特に、1690年に描かれたという日本地図と世界地図の屏風画が印象に残った。ちなみに、現代芸術作品は、最後の二つの部屋、十番と十一番に展示されていた。

また、併設されているカフェも素晴らしい。海に面していて、白い机と椅子が並んでおり、ここでコーヒーを飲むだけでも十分気持ちが高ぶった。このカフェから遠くに見える、アブダビの街の高層ビル群と、手前に見える白い橋を眺めていると、自分が、どこにいるのか、わからなくなる感覚に襲われた。

UAEは外国から働きに来ている人が多いが、美術館の係員の女性と話をしたところ、その人は、キルギスタンから来ているということだった。キルギスタンから来ている女性と英語で会話をし、非現実的な建物の中で、美術鑑賞をする。なかなか経験できないと思う。尚、その係員の女性によると、この美術館自体は作品を所蔵している訳ではなく、海外の様々な場所から作品を長期間レンタルしているということだった。

UAEも含め、このルーブル美術館@アブダビは、「非現実感」「非日常感」を体感できる場所であり、是非、足を運んでもらえればと思う。