アーティゾン美術館 (Tokyo Japan)

東京の中心地。近代的なビルに入り、豊富な抽象画コレクションを目にし、海外の美術館にいるのではないかと錯覚する。

東京にある美術館。近代系を中心に、日本美術などのコレクションも保持している。以前は、ブリヂストン美術館という名前だったが、2021年に新館となり、名前もアーティゾン美術館に変更して開館した。東京駅から歩いて5分程の高層ビルの1階から6階にある。都心型美術館の範疇に入るが、展示は、4階から6階の3フロアを占め、スペースも広く、天井も高い。

私は、ブリヂストン美術館に足を運んだことはなかったが、アーティゾン美術館のオープン企画展として行われた所蔵品を展示した「STEPS AHEAD」展を見て驚かされたのが所蔵品の豊富さだ。通常、日本の美術館だと、どうしても日本作家の作品が中心となり、海外作家の作品は一握りだったりするが、この美術館の所蔵作品は、海外作家の作品が豊富だ。それは、ピカソ、ダリ、クレー、ミロ、マティスなどの著名作家から、一般的には知られていない作家の作品まで、初めて目にする作家の作品も、興味をそそられるものがある。特に、キュビズムと抽象絵画は、知らない作家の作品にも目を引くものが存在する。

前身となるブリヂストン美術館は1952年開館だが、これは、東京国立近代美術館(現在の皇居脇にある場所の前身)の設立年と同じであり、私立美術館としては、日本における美術館の先駆けと言えるのかもしれない。設立者は、1964年の海外渡航が自由化される前に欧米を中心に、精力的に美術館に足を運び、作品収集を行ったようだ。

館内は、新しく建築されたこともあるが、単調な展示にならないように、部屋の造りに工夫が施されている。日本の美術品を展示する暗室があったり、4階と5階がつながって吹き抜けになっている部分があった。

東京にある所蔵品を持つ美術館は、国公立美術館が多いことを考えると、このアーティゾン美術館のような豊富な所蔵品を持つ私立美術館は非常に貴重だろう。

全体的な印象は、海外作品が豊富に展示されていることと、建物が新しいこともあり、海外の美術館に来ているような感覚を持ったことだ。海外の作品、海外の雰囲気を感じたくなったら、来訪者が少ない平日を狙って、是非、足を運んでみていただければと思う。

尚、写真撮影に関しては、所蔵作品の撮影はできるようだ。写真撮影ができないのは、他の美術館から借りている作品のようだったが、この美術館の所蔵品が大半を占めている場合がほとんどなので、写真を撮りたい人にも適した美術館だ。

2021年以降、複数回訪問。

基本情報

■ 名称:アーティゾン美術館
■ 住所 : 東京都中央区京橋1丁目7−2
​■ ホームページ:https://www.artizon.museum/