テート・モダン (ロンドン、UK)_収集癖について考える。

ロンドン、世界三大近代・現代美術館の一つ。広大なスペース、膨大な作品数、多彩な作品群を巡り、イギリス人の収集癖について考える。

ニューヨークの MOMA(近代美術館)、パリのポンピドゥー(Pompidou)と並ぶ、近代・現代美術館の最高峰に位置する美術館。いずれも大型美術館だが、この美術館は三つの中でも一番展示スペースが広いのではないだろうか。2016年に新たなスペース(The Switch House)が公開され、今まで以上に広くなった。無料スペースだけでも、駆け足で見て二時間はかかってしまう。加えて有料の企画展を見たら三、四時間はかかるだろう。

建物は、昔、発電所だった場所を使用しており、巨大な煙突がトレードマーク。グランドフロアにはタービンホール(Turbine Hall)という広大なスペースがある。7階の天井まで吹き抜けで、床のスペースは100mx30mという感じ。人がいなければ、端から端まで全力疾走も可能(だが、床に少し傾斜があるので注意が必要)。この場所では、不定期にインスタレーション展示、パフォーマンスが行われている。

この美術館の特徴は絵画、オブジェ、映像、メディア系、デザイン系と、作品が非常に多彩であることが挙げられる。特にオブジェ、デザイン系については、広いスペースを生かして巨大な作品が展示されている。展示スペースは、これといった特徴はないが、特定の部屋だけ壁の色を変えるなど細かい工夫は見られる。また、多大な作品の中に、しれっと、ピカソの絵が一枚並んでいたりするので、好きな作家の作品を見つける楽しみ方もある。

入場料が無料なので混んでいることが多い。それでも、オブジェ、デザイン系の部屋あたりになると人も減るので、空いている部屋を選択して空間を楽しむのがいいだろう。また、ロンドンに住んでいる人はメンバーになることをオススメする。企画展は有料だが、ロンドンの物価の高さも影響しているのかチケット代が高いことと、テート・モダン以外、ロンドンにあるテート・ブリテンの企画展も無料になるためだ。テート・ブリテンは現代アートではないが、時々、足を運びたくなる展示が行われている。

イギリス人は、収集癖があると思うが、広大なスペース、膨大な作品数、多彩な作品群を巡り、イギリスパワーを実感するのが一つの楽しみ方だろう。

尚、この美術館は、テムズ川沿いにあるため、鑑賞後、テムズ川沿いを散策するのも楽しい。テート・モダンの正面からテムズ川に架かるミレニアムブリッジを渡ると、セントポール大聖堂があるし、美術館のすぐ横にはシェイクスピアの作品を上演する「グローブ座」がある。「グローブ座」はレトロな劇場で、中世にタイムスリップできる場所だ(ただし、座席は狭い)。是非、周辺も徘徊していただきたい。

2011年以降複数回訪問。最後の訪問:2019年。

基本情報

■ 名称:テート・モダン
■ 住所 : Bankside London SE1 9TG
​■ ホームページ:https://www.tate.org.uk/visit/tate-modern

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