新ナショナルギャラリー (Berlin, Germany)_教科書的な美術館

ベルリン。全面ガラス張りの1階の空間を眺め、地下一階で近代・現代芸術を時系列に理解し、カフェに入り、シャンデリアと壁紙を眺めながらコーヒーを啜る。

ベルリンにある近代・現代美術館。ベルリンは多くの現代美術館、ギャラリーがあるが、この美術館は1900年代以降の作品をコレクションしている。開館は1928年と古いが、2015年より建物を全面改装し、2021年に再開している。

場所はベルリン中心だが、博物館や美術館が集まる、いわゆる博物館島からは少し離れている。博物館島には著名な博物館、美術館が5つあるが、この5つの中の3つは「新博物館」「旧ナショナルギャラリー」「旧博物館」という名称であり、その名前から「新ナショナルギャラリー」と間違う可能性があるので注意が必要だ。

一階から建物に入る。50mx50m程度のスペースの壁は全面ガラス張りで天井まで10mほどの高さがある。このスペースの床に40ケの石が敷き詰められている。このスペースにはこの石の作品しかない。展示室は地下一階。

地下一階の展示室はそれなりのスペースはあるが、展示空間として特筆すべきところはない。展示作品は1900年代半ば以降の作品が中心。表現主義、キュビズム、ポップアート、ビデオ作品までと幅広い。多量の作品が展示室に敷き詰められている。近代・現代美術を時系列、形式別に理解するという点では優れた展示だ。日本では東京国立近代美術館が近いかもしれない。教科書的な美術館という表現がしっくりくる。

作品はグローバルに渡るが、ドイツ作家の作品が中心。都会の歩道を歩きながら道路脇に駐車されている車の窓ガラスを割りながら徘徊する作品、Keiichi Tanamai(田名網敬一)という日本人アーティストの「Good-by Marilyn(1971年)」という映像作品が展示されていた。この2作品は、改装前に訪問した時にも展示されていた記憶がある。

二回目の訪問時には、Gerhard Richterの企画展が行われていた。2022年に東京国立近代美術館で行われた企画展に展示されていた作品と同じ作品が中心だった。アウシュビッツで人が焼却されている盗み撮り写真が展示されていたが、東京近代美術館とは異なり写真撮影は可能だった。

地下一階のショップの近くには、カフェがある。天井に配置されたシャンデリアと壁紙はアート作品だ。このカフェは改装前もあったが、落ち着ける場所なので立ち寄っていただきたい。

2012年、2024年訪問

基本情報

■ 名称:新ナショナルギャラリー
■ 住所 : Potsdamer Str. 50, 10785 Berlin, Germany
​■ ホームページ:https://www.smb.museum/en/museums-institutions/neue-nationalgalerie/home/
■ 行き方:
ポツダム広場の駅から歩いて10分程度。ベルリンの中心に位置しているが、意外と不便だ。ベルリン中央駅から移動するのであれば、バスがいいかもしれない。美術館のすぐ近くで停車してくれる。

目次