サンタフェ、ニューメキシコ。アドビ建築の美術館で、ジョージア・オキーフが描いた富士山の絵を鑑賞し、1959年の日本の情景を想像する。
アメリカ、ニューメキシコ州、サンタフェにある美術館。アメリカン・モダニズムの象徴ともいえるアーティスト、ジョージア・オキーフだけの作品を展示している美術館だ。
サンタフェは1610年に創設された長い歴史を持つ街で、アドビ(Adobe)と呼ばれる砂、砂質粘土などの有機素材で作られた黄土色の建物が並ぶ景観が有名だ。また、標高が2000mを超えていることも関係しているのか、アドビ建築の背後の青空に配された雲が低く、印象に残る場所でもある。
さて、この美術館だが、1997年開館。ジョージア・オキーフが亡くなってから11年後になる。建物は当然、サンタフェを象徴するアドビ建築だ。サンタフェダウンタウンの中心にあるSanta Fe Plazaから徒歩5分ほどの場所だ。
館内には展示室が9つあった。広くはないが、ジョージア・オキーフの各時代の作品が網羅されている。ニューメキシコに来る前を含む初期活動時の作品も展示されていた。花、牛角、山。ジョージア・オキーフを象徴する風景と抽象を融合させた作品が並ぶ。
私が2024年に訪れた時は、9つある展示室のうち、6-7の部屋がニューメキシコで描いた作品だった。前日にアビキューのHome & Studioツアーに参加していたが、アビキューとその周辺の作品が展示されていたこともあり、非常に興味深く鑑賞することができた。
一番奥の9番の部屋には、彼女が1959年に日本を訪問した時に購入した着物、手拭いが展示され、その時の日記が展示されていた。日記は手書きではなくタイプライターだった。日本までタイプライターを持ち運んでいたのかもしれない。また、ピンク色で彩られた富士山の絵が展示されていた。日本をイメージして帰国後描いたようだ。
アビキューのHome & Studioツアーの時のガイドさんの説明では、ジョージア・オキーフは50ケ国程度を旅行したとのことで、日本を含む様々な場所から影響を受けているということだ。
ちなみに、私は2004年にもこの美術館を訪れたのだが、実は、その時は印象に残っていない。その時は、展示室も限られており、作品数が非常に限られていたと記憶している。ジョージア・オキーフは、世界中で人気があるため、作品が貸し出されることが多いのかもしれない。このあたりは、訪問時の状況による部分があるので事前確認をするのがよいだろう。
尚、この外れを回避するという意味でも、アビキューにあるジョージア・オキーフ美術館が運営するHome & Studioツアーも足を運ぶのがいいと思う。こちらは、ジョージア・オキーフが生活していた住居兼アトリエを見ることができるのだが、周辺の景色も含め、印象深く記憶に残る場所だと思う。
2004、2024年訪問。
基本情報
■ 名称:ジョージア・オキーフ美術館
■ 住所:217 Johnson St, Santa Fe, New Mexico, USA
■ ホームページ:https://www.okeeffemuseum.org/
(described on Jan 20 2025)