ルートヴィヒ美術館(Cologne, Germany)_秀逸のポップアートに触れる

ドイツ、ケルン。ケルン大聖堂の横にある美術館で、1900年代の作品群に触れ、ポップアート隆盛の1960年代に思いを馳せる。

ドイツ、ケルンにある近代美術館。個人のコレクションから始まっているが、現在はケルン市が運営している。場所は、ケルン中央駅前にある巨大なケルン大聖堂の横、また、東側をライン川が流れる。ケルン大聖堂はゴシック様式の建築物としては世界最大であり、高さは約160m。建物の下から見上げる感じだ。

美術館は地下1Fから3Fまで。イギリス式なので、ベースメント、グランドフロア、1階、2階となる。作品は、グランドフロア以外に展示されている。ベースメントが企画展、1階と2階がこの美術館が所有するコレクション展のようだ。

尚、グランドフロアは入って左側に1Fに行く階段があるが、右側には半地下に行くスペースがあり、奥まで行くと2Fへ上がっていく階段がある。左側から階段を上って奥まで行くと何やら階段があるので何だろうと思ったが、複雑につながっているということだ。良い美術館の条件を満たしている。

コレクションは1900年以降の作品。中世芸術作品などの古い作品はない。この美術館の一つの特徴はポップアートが充実していることだろう。二回目の訪問時は、グランドフロアから階段で1階(日本式では2階)に上がったすぐ横に展示室が設けられ、三つの部屋に作品が並んでいた。最初の訪問時同様、アンディ・ウォーホルの複数の作品が目を引いた。ポップアートの展示は、限定的な美術館が多いので、ポップアートが好きな人にとっては貴重な美術館だ。

コレクションの豊富さは、日本で巡回展が行われるほどなので特筆するが、建物、展示方法などは普通かもしれない。敢えて特徴を提示するとすれば、所々にある柱の陰のスペースに作品が展示されていることだろう。最初の訪問時にこの狭いスペースにビデオ作品がおかれていたのだが、興味を引く作品で記憶に残っている。時間がある方はスペースの隅々まで目を通して欲しい。

最後にこの美術館の特徴的なコインロッカーについて書きたいと思う。受付でチケットを買うと、荷物を持っている人はカードを渡され、「荷物はロッカーに入れて下さい」と言われる。ロビーの壁に沿って並んだロッカーは縦長。荷物を入れて、施錠方法を確認する。カードを差す場所もないし、コインを入れるような場所もないし、鍵のようなものも付いていない。扉の裏に書かれた説明を確認し、周りの人の動きを見る。この施錠方法が非常に独特。扉の中央に円柱状の突起物があるのだが、この突起物にカードを充てて押し込むのだ。押し込むと「カチッ」と音がして扉が閉まる。開けるときは、押し込まれた突起物の上にカードを充てて軽く押し込むと手前に飛び出してきて開錠される。どのような仕組みでできているのか興味深かった。

(その他)
・2022年に国立新美術館・京都国立近代美術館で所蔵品店が行われている。
・ケルン中央駅周辺は、あまり安全な雰囲気はしないので注意して欲しい。特に中央駅構内は、券売機でチケット購入の際に親切を装ってお金を請求してくる場面に遭遇したし、数回、物乞いの人に声を掛けられている。また、2023年の訪問時の年末は、駅構内とケルン大聖堂周辺は多数の警察官・警備員の姿があった。2015年の大晦日にあった「ケルン大晦日集団性暴行事件」と、当時の移民政策の影響だと推測する。

(2023年訪問時に展示されていた主要アーティスト)
Andy Warhol、Liechtenstein、Mark Rosko、Yves Klein、河原温、草間弥生、Jasper Jones、Hockney、Picasso、Giorgio de Chirico、Milo、Cy Twombly。

2013年、2023年訪問

基本情報

■ 名称:ルートヴィヒ美術館
■ 住所 : Heinrich-Böll-Platz, 50667 Köln, Germany
​■ ホームページ:https://www.museum-ludwig.de/en.html

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