ロック系ライブハウス

もし、「ライブハウス に期待することは?」という問いを投げかけられた時、私は「非日常と文化の体感」と答えるだろう。ライブハウスは文字通り音楽を演奏する場所であるが、音楽を聞くだけではなく、そこにある雰囲気、匂い、人、文化、歴史を見に行くのだと思う。

この点については、ある人と議論になったことがある。「ライブハウスは、そこで演じるアーティストを見に行くのですよね。知らない人の音楽を聞きに行くというのはよくわかりません」と言われたが、アーティスト以外の何かを求めているのだと思う。

Sunset Strip Rock'n Roll

ロック系ライブハウスに行くときは、「演奏者が誰か」というのはあまり気にしなかったりする。少なくとも、ジャンルがロック系であればいいという感じだ。ここでいうのは、街角にある最大でも数百人レベルのキャパの場所だ。

こういう小規模ロック系ライブハウスは、たいてい独特な何かがあったりする。異様に汚かったり、異常にスノッブな感じだったり、カクテルウェイトレスの女性が抜群に奇麗だったり、カッとんでいたり、演奏が下手糞で嫌になったり、バンドが異常な高さの熱量を発していたり、受付の女性が抜群に明るかったり、泡のないビールしか出てこなかったり、店内の端の方で、きつい臭いのする煙を撒き散らしていたり、演奏を見ていて不快になって怒りが込みあげてきたり、トイレが際立って汚く身の危険を感じたり、運ばれてきたジントニックが水みたいだったり、クアーズを頼んだがバドワイザーが出てきたり、前の客に振り向かれて顔を見られ「あっ、英語が喋れない奴だ」と言われたり、店の前で立っていて煙草を勧められたり、バンドの歴史について長々と語られたり、日本人に声を掛けられたりする。

CBGB

たぶん、こういう一つ一つの事象が、非日常であり、そこに文化を感じ楽しみを見出し、また、そのような何かに遭遇するために足を運ぶのだと思う。東京にあるライブハウスも何カ所か足を運んだが、ここでは世界にあるロック系ライブハウスで個人的なランキングを作成した。ランキングの上位は閉店しているライブハウスが占めているが、過去の思い出と、それを教訓にし、新たなロック系ライブハウスを作っていただきたいという意味も踏まえ、掲載している。了解いただきたい。

(described on Dec 30 2018)
(latest update on Jan 29 2022)